子供から大人まで世界中で愛されているレゴ。
僕個人としても幼少の時に一番遊んだ大好きなおもちゃです。
が、
- レゴの素材って、プラスチックだよな
- プラって昨今目の敵にされているよな
- レゴって将来的になくなってしまうのか!?
などと疑問が湧いてきたので、調べてみました。
調べてわかったのが、今から8年前の2015年には「持続可能な新素材に変える」と発表していたという事。
さすが世界一のおもちゃメーカーですね。
今回は研究中の新素材ブロックから、その他のサスティナブルな取り組みまで、レゴと環境について見ていきたいと思います。
レゴのおもちゃ以外の魅力が伝われば幸いです。
レゴブロックは年間でどのぐらい製造されているのか?
レゴの年間生産量はおよそ10万トンです。
10万トンと比較するために幾つか例を出してみると次の通り。
- 飛行機(ボーイング)「160トン」
- H-IIAロケット「289トン」
- ウルトラマン「35,000トン」
- タイタニック号「46,000トン」
仮にレゴの年間生産量をタイタニック号で例えるとしたらおよそ2隻分となります。
タイタニックの大きさは全長269m・幅28mにもなるので、その大きさを想像するといかに世界で遊ばれているのかが分かりますね。
コロナ禍を機にさらに人気が高まっているレゴ
2021年の売上高は、553億デンマーククローネ(約1兆円)で前年比122%を達成しました。
在宅時間が長くなった事で遊ぶ機会が増えたようです。
それにしても飛行機って意外と軽いんですね。
10万トンのブロックが石油由来の素材で作られている
年間10万トンも生産されるレゴブロックですが、その素材はABS樹脂という合成樹脂(プラスチック)の一種です。
使い勝手の良いABS樹脂は、レゴの他にも家電製品や自動車の部品、パソコンや家具などにも使われています。
プラスチックの生産量は年々増加しており、2020年では3億7,000万トンでした。
さてプラスチックが環境に良くないと言う認識は広がっていますが、具体的にどう環境に悪いかについて代表的なものをみてみましょう。
持続可能なブロックの製造
SDGsが国連で採択された2015年に、レゴは「2030年までにブロックの原材料をプラスチックから持続可能な新素材」に切り替えると発表しました。
そして3年後の2018年には、サトウキビ由来のバイオポリエチレンから作られた植物パーツを発売。持続可能な新素材への挑戦が具体的な形を伴って成果となりました。
しかし植物パーツを知っている方はわかると思いますが、この素材で作られたレゴは柔らかく、建物を作ったり積み上げたりするのには向きません。強度や耐久性を必要とするパーツには、別の素材を開発しなければいけないのです。
そこで、新たな候補として上がっているのがペットボトルです。
廃棄されたペットボトルから作られるブロック
2021年にレゴが発表した新ブロックの素材は「廃棄されたペットボトル」でした。
3年間の歳月をかけて開発されたこのブロックは、同社の求める強度や耐久性をクリアするまでに、250種類以上のペットボトル素材と、数百種類のプラスチック配合をテストしたと言います。
しかし、あくまで試作段階のため商品化までには更なる研究開発が必要です。特にブロックへの色付けと、既存ブロックとの互換性が重要な課題として残っています。
さて、そもそも新素材の原料となるペットボトルはどれぐらい消費されているのでしょうか?
レゴの新素材候補、ペットボトル消費量とそのリサイクルについて
1分間で100万本も消費していると言われているペットボトル。
国別では中国がトップで世界総消費量の1/4を占めています。深刻な水質汚染によってミネラルウォーターが生活必需品になっている事が主な要因です。
環境に恵まれている日本でさえ一番売れている飲料は水なので、水道水が気軽に飲めない国の消費量は必然的に高くなるでしょう。
ペットボトルリサイクルの現状
『PETボトルリサイクル年次報告書2022』によると2021年度の日本のペットボトルリサイクル率は86.0%で、目標としていた「リサイクル率85%以上の維持」を達成する事ができたようです。
欧州が42.7%、米国が18.0%のリサイクル率しかない事を考えると、かなり優秀と言えそうですね。
さて86%もリサイクルされているペットボトルですが、そのうちの何%がペットボトルに生まれ変わっているか知っていますか?
そもそもですが、リサイクルされたペットボトル全てが新たなペットボトルになっているわけではないのです。
2021年度のボトルtoボトル比率は20.3%でした。想像していたより低かったのではないでしょうか?
実は一度使用されたペットボトルはリサイクル過程で不純物が入り透明度が下がってしまう為、再度ペットボトルとして使用する事が難しいのです。
ペットボトルは何に生まれ変わっているのか
回収した製品を以前とは違う製品にするリサイクル方法をカスケードリサイクルと言います。
ペットボトルの場合は
- 食品トレイや卵パック
- 肌着やネクタイ
- 台所洗剤ボトル
- 定規
に生まれ変わることが多いみたいですね。
そして、この中にレゴブロックが仲間入りする可能性が出てきたと言うわけです。
現在の研究では1Lのペットボトルから「2×4のレゴブロック10個分相当」の原材料が得られるとの事。
しかし研究にはまだ時間がかかりそうなので、新情報が発信されればこのブログで共有していきたいと思います。
環境へ配慮したレゴの取り組み
新素材として「廃棄されたペットボトル」の研究をしているレゴですが、その他のサスティナビリティ目標も掲げています。
説明書風の「BetterWorld〜よりよい世界へ」の組み立て説明書も公開しているので、興味のある方は覗いてみて下さい。
めちゃめちゃ可愛く作られていて、さすがレゴ!といった感じです。
レゴで遊ぼう!遊び終わったらリサイクルへ
現在、アメリカとカナダだけで行われている「LEGO Replay」と言うプログラムがあります。
遊び終わったレゴを簡単に寄付できるプログラムで、寄付する側は箱に詰めて送るだけ。教育機関を通じて子供達に届けられるようです。
何世代にも渡って遊べる耐久性を持つレゴならではのプログラムですね。
対象国も拡大する意向のようなので、そのうち日本でも導入される日が来るかもしれません。もし捨てようと思っているレゴがあれば寄付してみるのも良いのではないでしょうか。
お気に入りのレゴシリーズを見つけよう!
精巧に作られているレゴは、60年前のパーツと現在のパーツでもピッタリと組み合わせる事ができます。これから新素材に変わったとしても既存のパーツとの組み合わせは完璧でしょう。
レゴは親から子供へ、子供から孫へと引き継いでいける素敵なおもちゃなのです。安心して暮らせる環境も次世代に引き継いでいきたいですね。
最近では大人向けに開発されたレゴもたくさんあります。一番最初に載せていたタイタニックもその一つです。
他にもフラワーアレンジメントや浮世絵、建築物などなど。
久しぶりに遊んでみようかなと思った方はぜひこの機会に触れてみて下さい。公式サイトを見るだけでも楽しいですよ。