転職サービスとして人気の高いJAC Recruitment【2124】は、高配当株投資の対象としても魅力的な企業です。
僕は投資先として優秀かどうかを、配当実績や財務状況などの指標で判断していますが、JAC Recruitmentは安心して資金を預けられる会社だと判断しています。
今回の記事では、なぜ安心してJAC Recruitment株を保有できるのかを、同業他社と比較しながら解説していきますので、購入を検討している人の参考になれば嬉しく思います。
配当生活を夢見ていて、まだJAC Recruitmentの株を持っていない人は前向きに購入を検討しても良いのではないでしょうか?
なお、リクルートホールディングス【6098】は売上の半数以上を人材派遣以外で稼いでいるので、今回は比較対象から外しています。
JAC Recruitmentと同業他社の会社概要
JAC Recruitment【2124】
JAC Recruitmentは1998年に設立されました。
同社は人材サービス業界で中堅クラスの会社であり、時価総額は988億円です。
「コンサルタントのいない転職といる転職…」というCMは、多くの人が目にしたことがあるかもしれませんね。
JAC Recruitmentの売上の90%は国内人材紹介事業から得られています。2022年の売上高は26,726百万円で、前年比20%増でした。
同社は外資系企業や海外進出企業への転職に強みを持つ企業ですが、最も特徴的なのは「両面型」のビジネスモデルです。
パーソルホールディングス【2181】
パソナホールディングスは2008年に設立されました。
人材サービス業界では第2位で、時価総額は6,400億円です。
「テンプスタッフ」や「doda」などのブランドはよく知られていますね。
売上の約半分を占める「Staffing SBU」は、事務・研究・臨床開発などへの人材派遣や人材紹介、臨床開発や販売などの業務委託サービスを提供しており、「テンプスタッフ」や「Chall-edge」などの代表的なブランドが存在します。
一方、「doda」は「Career SBU」のブランドで、パーソルキャリア株式会社が運営しています。
パソナグループ【2168】
パソナグループは2007年に設立されました。
人材派遣のパイオニアで業界3位、時価総額は789億円です。
売上高の約40%はエキスパートサービス(人材派遣)が占め、事務職からITエンジニア、営業・販売職などの人材派遣を行っています。
一方、売上高の38%はBPOサービス(委託・請負業務)によるもので、官公庁のプロジェクトや行政サービス窓口なども運営しています。
また、地方創生にも力を入れており、2008年からは兵庫県淡路島で農業の活性化を中心とした事業にも取り組んでいます。
淡路島ではホテルやレジャー施設の運営だけでなく、本社機能の一部も移転し始めました。
配当あれこれ
配当利回り3.82%
配当利回りはJACがトップで3.82%。
一般的には配当利回り4%以上を高配当株と呼ぶため、JACも高配当株とは言えませんが、配当利回りが3.75%以上あれば税引後でも3%は残るので、自身のポートフォリオとのバランス次第では組み込み候補に挙げておいても良いのではないでしょうか?
ちなみに2022年の夏頃には配当利回りが4%を超えていたので、タイミングが合えば再度4%で購入できるチャンスが来るかもしれません。
残りの2社は、パーソルが3.22%、パソナが1.94%なので、高配当株として購入するならJACのみが対象になります。
一株あたりの配当金(DPS)は80円
JACとパーソルは2021年に減配しましたが、大きな流れとしては全社とも右肩上がりの増配で推移しています。
配当金額はJACが一番高く、80円でした。
配当性向65.2%
直近の配当性向はJACとパーソルが60%超え。
パソナは16%なので2社よりもかなり低く見えますが、一般的な目安が20-30%なので、低すぎるほどではありません。
財務状況
右肩上がりの売上高
3社とも右肩上がりで推移しています。
金額はパーソルがダントツのトップで1兆2千億円。
JACとは約40倍の差があり、規模の大きさを実感しますね。
安定した営業キャッシュフロー
続いて営業CF。
金額でトップのパーソルは、右肩上がりで推移しているものの、所々凹んでいる年もあり安定性に欠ける感じがします。
JACも凹んでいる年がありますが、比較的安定して推移しているので、営業活動はうまく回っている事がわかります。
パソナもパーソルほどではないですが、バラつきが大きいです。
高い営業利益率
営業利益率ではJACがトップの21%。
営業キャッシュも安定し、利益率もこれだけあると安心ですね。
パーソルとパソナの営業利益率は共に一桁でした。
一株あたり純利益(EPS)は124.56円
2020年に全社一時的に下がりましたが、現在は以前の水準を超えています。
特にパソナの伸び方がすごいですが、2021年5月期の連結営業利益が前期比165%増の175億円になり過去最高を叩き出したことが影響していそうです。
自己本比率70.6%
JACは安定の70%超え。
続いてパーソルが43%、パソナが24%となっています。
自己資本比率だけを見ても、配当目的で長期保有するならJAC一択になります。
マイナスなしのフリー・キャッシュフロー
最後にフリー・キャッシュフローです。
JAC以外はマイナスの年もあり安定していません。
フリー・キャッシュフローは配当の原資にもなるので、頻繁にマイナスを出してしまう企業の株は買いたくないですね。
JAC Recruitmentを買いたいと思った時の戦略
転職サービスを展開している3社の配当状況や財務状況について見てきました。
その中でもJAC Recruitmentは他社と比べて高い利益率や安定したフリー・キャッシュフローなど、安心して資産を預けられそうな投資先だと思いましたが、皆様はどう感じたでしょうか。
配当生活を夢見る人にとっては、増配傾向にあるのも大きなポイントです。
今の配当利回りも3.82%と悪くありませんが、過去には4%超えていたタイミングもあったので、購入するか迷うところだと思います。
過去5年間のチャートを見ると、2019年5月に付けた高値2811に近づいており、テクニカル的にはここから反発下落するのか?ブレイクしてさらに上昇していくのかを注視したい局面です。
- 予算全額の購入を見送り、まずは半分の資金を投入。その後の様子を見て残りを投入していく
- テクニカル分析は分からないから今ずぐ全額投入
上記の二択になると思いますが、個人的には全額投入を選択します。
なぜなら高配当株投資は一度買えば終わりではなく、リバランスが必要だからです。
どうせ追加で購入していくなら、難しいことはぜずにシンプルに考えた方がいいはずですからね。
その他の高配当銘柄についても書いていますので、参考にして下さい。
JAC Recruitmentは企業として安定しているので、投資先としてだけではなく転職活動の際にも積極的に使っていきたいですね。